SHE FEELS.
RIM.ARKが注目する女性をフィーチャーして
お届けするこの企画。
初回は、女優の山口紗弥加さんをお迎え。
自身が新境地と話すファッションシュートと
“今”に迫るインタビュー、必見です。
Question & Answer
山口紗弥加さん
-
Q1.
ご出身の福岡で思い出の場所って? 福岡名物で好きな食べ物もあれば伺いたいです。
-
学生の頃、密かに想いを寄せる先輩とお散歩デートをしたのは…大濠公園(照)。あとは学校が近かった福岡タワーも。夕陽を見ながら友と語りあったりとか、海岸で叫んだりしてました、大声で(笑)。今思えばあの時間が青春だったんですね。福岡に帰ると必ずお土産で買ってくるのは「椒房庵」の明太子。アゴ出汁のまろやかな美味しさは他にありません。これぞ、美味。本当に白米に合うので、ぜひ食べてほしい! オススメです。
-
Q2.
健康、美容のために「やる」こと、逆に「やらない」ようにしてることはありますか?
-
質のよい睡眠をとるため、枕を変えました。高機能といわれるものを散々使ってみて、最終的に辿り着いたのがダウン枕。一周まわってダウン、最強です。しかも、その日の状態で調整できるように2枚重ねがマイベスト。“ふかっ!”と沈み込んで、ふくらんだ両サイドに包まれる安心感。これが深い眠りに直結するようです。「やらない」のは、お砂糖かな。体内の糖化が老化を促進、お砂糖は美容の大敵だと聞いて。できるだけ摂らないように意識しています。おやつはフルーツで果糖を補給している感じですね。
-
Q3.
趣味は編み物と伺いましたが。
-
毎年冬になるとね、渡り鳥のように編み物熱が高まってくるんですよ(笑)。もともと祖母がいろんな糸を組み合わせて何でも編んでくれる人で。子どもには凄技すぎて祖母に教わったことはないんですが、小学校高学年になると自然と私も編み物クラブに入っていました。バッグとか帽子とか小さめのものを主に。以前ニットを編んでみたことがあるんですけど、それもざっくりしたかなりのボリュームの。あれは、ただただ苦行でした(笑)。手編みのニットがあれだけ高価なのが頷けるなって実感。一年じゃ終わらず、完成まで二年ほどかかりました。
-
Q4.
好きな映画のタイトルを教えてください。
-
『妹の恋人』。何度観ても、また観たくなる。ジョニー・デップ演じる風変りの青年が、友達の妹である自閉症の女の子の心を開いていって、二人のかわいい恋が始まるんですけど…妹をカゴの中の鳥のように大事に大事に守り育てているお兄ちゃんが二人の恋に反対して、っていう。もうね、とにかく愛が詰まった映画なんです。いろんなことがボーダーレスになってきているこの時代に、新たな気付きを与えてくれる作品だなって。
-
Q5.
歳を重ねて、自分が変わってきたなと思うのはどんなところですか?
-
物ごとの流れに身をゆだねられるようになってきた気がします。自分にとって何かよくないことが起きても、動じなくなったというか。変に抗わずに「あ、私は今こういう状態なんだな」って、いったん冷静に受け入れて。そのうえで、トライを重ねていけるようになりましたね。一個やってみてダメで「あーもう!」ってなるんじゃなくて。「よし。それなら次は…」って頭を切り替えながら、選択肢をひとつずつ試していく。意識が先へ先へ向かっていて、失敗すらも“いつか何かの糧になる”と楽しんでいる節があります(笑)。
-
Q6.
「カッコよく生きてるな」って思えるのはどんな人ですか?
-
最近、強くそう思う女性は、田中みな実さん。一年のうちにドラマで二度も共演して以来、食事をしたり、旅をしたり。彼女は自分が何をやりたいか、どこに到達したいのか、目的が明確で。そこに向かうための種まきをして、きちんと水やりをする人。自分を偽ったり、外側だけをよく見せようとは絶対にしない。ひたむきに脇目も振らずゴールに向かう、その姿が本当に潔くって。何度勇気をもらったことか。
-
Q7.
座右の銘や、好きな言葉はありますか?
-
“ケ・セラ・セラ”。なるようになるさって意味のこのフレーズ、小さい頃から祖母にいわれていたんです。私、結構クセのある子供だったみたいで(笑)。だから祖母は、ことあるごとに「なるようになる。穏やかにね」って伝えてくれていたんだと思います。亡くなる直前まで、筆談の最後には必ずこの一言を書いてくれて……ここ数年、頻繁に思い出すんですよ。“ケ・セラ・セラ”の精神が、ようやく体感でわかるようになってきたからかもしれません。
-
Q8.
(幅広い役を演じられてきた中で)入り込むのが楽しかった役はありますか?
-
楽しいなと思うのは……“悪女”の役(笑)。最近だと、ドラマ『モンテ・クリスト伯』ですね。あのときは、あれやりたいこれやりたいって(演技の)欲望が止まらなくて。それを面白がってくれる監督とスタッフさんだったこともあり、現場でいろいろと遊ばせてもらいました。でも、オンエアを観ると10のうち9は容赦なく削られていて(笑)。それがまた納得の編集で、ことさらに快感で(笑)。ドラマ『運命に、似た恋』で演じた、恋に狂う悪女にもかなり没入しましたね。
-
Q9.
40歳を迎えられた今、30代を振り返ってみてどんなふうに感じられますか?
-
濃密でした、すごく。可能な限りの失敗はできたかな。そのおかげか、こわいものがなくなった気はしています。例えば、「上手にできなかったらどうしよう」「うまく見せなきゃ」とか。その手の欲や恐れにとらわれて、過去にうまくできたときの流れを再現しようとしたり…他人から見た“いい感じ”を目指して、はみ出すことを躊躇していた部分があったんです。でも「未知への挑戦を恐れていたら、この先はない。ここで終わり。それは、ちょっと悔しいな」って。40にして、ようやく一歩を踏み出した感じです。30代後半は、まさにチャレンジの連続でした。
-
Q10.
最後に、今の山口さんのスタンスを含めた今後について聞かせてください。
-
40歳ってことに一瞬だけ身構えたんですけど。まぁ、“ケ・セラ・セラ”だなって。10の位はひとつ増えますが、1の位は0に戻るわけで(笑)。「また新しいスタートじゃん!」ってリセットされたような心持ちでいます。実感として今、ゆで卵の殻を剥いたような状態なんですよ私。いろんな意味で自分を覆っていた皮膜がとれたというか、恥ずかしいほどに無防備で、ツルツル(笑)。人としても役者としても、まだまだ成長過程だと思っていて。これからどんなご縁や出会いがあって、何が生まれて、自分自身をどう更新して行くのか。存分に楽しみたいと思っています。
PROFILE
やまぐち さやか
1980年2月14日、福岡県生まれ。これまで60本以上の連ドラに出演。演技力の高さに定評があり、ストーリーに深みを与える役者として確固たる地位を築く。2018年に、芸歴24年にしてドラマ『ブラックスキャンダル』にて初主演。翌年の2本目となる主演ドラマ『絶対正義』でも話題に。現在、ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』に出演中。また、中島みゆきの名曲から着想を得た映画『糸』が4月24日(金)公開。
SHE FEELS.
Sayaka Yamaguchi
Staff
Photograph_YUTO KUDO
Hair_KEIKO TADA(mod’s hair)
Make-up_FUSAKO(ota office)
Styling_NIMU(makiura office)
Direction & Edit_NAO MANITA(BIEI)
SHE FEELS.
RIM.ARKが注目する女性をフィーチャーしてお届けするこの企画。初回は、女優の山口紗弥加さんをお迎え。
自身が新境地と話すファッションシュートと“今”に迫るインタビュー、必見です。
Question & Answer
山口紗弥加さん
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Q1.
ご出身の福岡で思い出の場所って? 福岡名物で好きな食べ物もあれば伺いたいです。
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学生の頃、密かに想いを寄せる先輩とお散歩デートをしたのは…大濠公園(照)。あとは学校が近かった福岡タワーも。夕陽を見ながら友と語りあったりとか、海岸で叫んだりしてました、大声で(笑)。今思えばあの時間が青春だったんですね。福岡に帰ると必ずお土産で買ってくるのは「椒房庵」の明太子。アゴ出汁のまろやかな美味しさは他にありません。これぞ、美味。本当に白米に合うので、ぜひ食べてほしい! オススメです。
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Q2.
健康、美容のために「やる」こと、逆に「やらない」ようにしてることはありますか?
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質のよい睡眠をとるため、枕を変えました。高機能といわれるものを散々使ってみて、最終的に辿り着いたのがダウン枕。一周まわってダウン、最強です。しかも、その日の状態で調整できるように2枚重ねがマイベスト。“ふかっ!”と沈み込んで、ふくらんだ両サイドに包まれる安心感。これが深い眠りに直結するようです。「やらない」のは、お砂糖かな。体内の糖化が老化を促進、お砂糖は美容の大敵だと聞いて。できるだけ摂らないように意識しています。おやつはフルーツで果糖を補給している感じですね。
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Q3.
趣味は編み物と伺いましたが。
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毎年冬になるとね、渡り鳥のように編み物熱が高まってくるんですよ(笑)。もともと祖母がいろんな糸を組み合わせて何でも編んでくれる人で。子どもには凄技すぎて祖母に教わったことはないんですが、小学校高学年になると自然と私も編み物クラブに入っていました。バッグとか帽子とか小さめのものを主に。以前ニットを編んでみたことがあるんですけど、それもざっくりしたかなりのボリュームの。あれは、ただただ苦行でした(笑)。手編みのニットがあれだけ高価なのが頷けるなって実感。一年じゃ終わらず、完成まで二年ほどかかりました。
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Q4.
好きな映画のタイトルを教えてください。
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『妹の恋人』。何度観ても、また観たくなる。ジョニー・デップ演じる風変りの青年が、友達の妹である自閉症の女の子の心を開いていって、二人のかわいい恋が始まるんですけど…妹をカゴの中の鳥のように大事に大事に守り育てているお兄ちゃんが二人の恋に反対して、っていう。もうね、とにかく愛が詰まった映画なんです。いろんなことがボーダーレスになってきているこの時代に、新たな気付きを与えてくれる作品だなって。
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Q5.
歳を重ねて、自分が変わってきたなと思うのはどんなところですか?
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物ごとの流れに身をゆだねられるようになってきた気がします。自分にとって何かよくないことが起きても、動じなくなったというか。変に抗わずに「あ、私は今こういう状態なんだな」って、いったん冷静に受け入れて。そのうえで、トライを重ねていけるようになりましたね。一個やってみてダメで「あーもう!」ってなるんじゃなくて。「よし。それなら次は…」って頭を切り替えながら、選択肢をひとつずつ試していく。意識が先へ先へ向かっていて、失敗すらも“いつか何かの糧になる”と楽しんでいる節があります(笑)。
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Q6.
「カッコよく生きてるな」って思えるのはどんな人ですか?
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最近、強くそう思う女性は、田中みな実さん。一年のうちにドラマで二度も共演して以来、食事をしたり、旅をしたり。彼女は自分が何をやりたいか、どこに到達したいのか、目的が明確で。そこに向かうための種まきをして、きちんと水やりをする人。自分を偽ったり、外側だけをよく見せようとは絶対にしない。ひたむきに脇目も振らずゴールに向かう、その姿が本当に潔くって。何度勇気をもらったことか。
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Q7.
座右の銘や、好きな言葉はありますか?
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“ケ・セラ・セラ”。なるようになるさって意味のこのフレーズ、小さい頃から祖母にいわれていたんです。私、結構クセのある子供だったみたいで(笑)。だから祖母は、ことあるごとに「なるようになる。穏やかにね」って伝えてくれていたんだと思います。亡くなる直前まで、筆談の最後には必ずこの一言を書いてくれて……ここ数年、頻繁に思い出すんですよ。“ケ・セラ・セラ”の精神が、ようやく体感でわかるようになってきたからかもしれません。
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Q8.
(幅広い役を演じられてきた中で)入り込むのが楽しかった役はありますか?
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楽しいなと思うのは……“悪女”の役(笑)。最近だと、ドラマ『モンテ・クリスト伯』ですね。あのときは、あれやりたいこれやりたいって(演技の)欲望が止まらなくて。それを面白がってくれる監督とスタッフさんだったこともあり、現場でいろいろと遊ばせてもらいました。でも、オンエアを観ると10のうち9は容赦なく削られていて(笑)。それがまた納得の編集で、ことさらに快感で(笑)。ドラマ『運命に、似た恋』で演じた、恋に狂う悪女にもかなり没入しましたね。
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Q9.
40歳を迎えられた今、30代を振り返ってみてどんなふうに感じられますか?
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濃密でした、すごく。可能な限りの失敗はできたかな。そのおかげか、こわいものがなくなった気はしています。例えば、「上手にできなかったらどうしよう」「うまく見せなきゃ」とか。その手の欲や恐れにとらわれて、過去にうまくできたときの流れを再現しようとしたり…他人から見た“いい感じ”を目指して、はみ出すことを躊躇していた部分があったんです。でも「未知への挑戦を恐れていたら、この先はない。ここで終わり。それは、ちょっと悔しいな」って。40にして、ようやく一歩を踏み出した感じです。30代後半は、まさにチャレンジの連続でした。
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Q10.
最後に、今の山口さんのスタンスを含めた今後について聞かせてください。
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40歳ってことに一瞬だけ身構えたんですけど。まぁ、“ケ・セラ・セラ”だなって。10の位はひとつ増えますが、1の位は0に戻るわけで(笑)。「また新しいスタートじゃん!」ってリセットされたような心持ちでいます。実感として今、ゆで卵の殻を剥いたような状態なんですよ私。いろんな意味で自分を覆っていた皮膜がとれたというか、恥ずかしいほどに無防備で、ツルツル(笑)。人としても役者としても、まだまだ成長過程だと思っていて。これからどんなご縁や出会いがあって、何が生まれて、自分自身をどう更新して行くのか。存分に楽しみたいと思っています。
PROFILE
やまぐち さやか
1980年2月14日、福岡県生まれ。これまで60本以上の連ドラに出演。演技力の高さに定評があり、ストーリーに深みを与える役者として確固たる地位を築く。2018年に、芸歴24年にしてドラマ『ブラックスキャンダル』にて初主演。翌年の2本目となる主演ドラマ『絶対正義』でも話題に。現在、ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』に出演中。また、中島みゆきの名曲から着想を得た映画『糸』が4月24日(金)公開。
SHE FEELS.
Sayaka Yamaguchi
Staff
Photograph_YUTO KUDO
Hair_KEIKO TADA(mod’s hair)
Make-up_FUSAKO(ota office)
Styling_NIMU(makiura office)
Direction & Edit_NAO MANITA(BIEI)